御旨と海/なぜ我々は海の訓練をするのか


御旨と海 なぜ我々は海の訓練をするのか
1984年 7月 2日 モーニング・ガーデン


 グッド・ゴーの船を見てみましょう。水が好きなだけ入ってくることができます。皆さんの船体の底に穴を開けて、実験してもよいです。船の中に何人かの人がいたとしても、船の内部が泡状の発泡スチロールのような構造になっているので、彼らは船の中にとどまることができます。この船は安全性を考えて造られています。それと同時に、この船は非常に速く走る船です。もし嵐がやってきたとしても、皆さんはその嵐を乗り切ることができます。もちろん、この船は最も経済的な船というわけではありません。なぜならその船は非常に多くのガソリンを必要とするからです。しかし訓練のプログラムのためには、その船はそれだけの価値があります。我々は速度の遅い経済性の良い船よりも、安全で高速の船を必要としています。訓練のためにはこのグッド・ゴーの船は最善です。

訓練の価値

 いかなる訓練コースにおいても、訓練が厳しければ厳しいほど、より多くを学ぶことができます。訓練自体がそのプログラムに価値を与えるのです。究極的に我々は漁業に入ろうと思っています。それが将来です。もし我々にお金がなかったならば、いかにしてアメリカや世界の問題を解決することを助けることができるでしょうか。漁業において、仕事は信じられないほどに厳しいものですが、その見返りは良いものです。しかしながら、いかなる仕事も達成するためには、まずだれでも訓練期間を通過しなければなりません。

 現在何人かのメンバーは日本レストランの創設途上にあります。皆さんはレストラン・ビジネスはほんの小さなことであると考えるかもしれませんが、しかしこれは多くの意味を持っているのです。まず第一にレストランは非常に多くの人が出入りする商売です。これを通して、これらの人たちに接触することができます。皆さんはそれらの人たちに話しかけ、そして良い関係を築くことができます。そしてそれらの人たちに奉仕し、そして真の奉仕精神を示すことができます。我々は宗教人であり、この世においても働かなければなりません。このような意味において、レストランは我々が行う上において非常にすばらしい事業であると言えます。

 今、日本レストランは流行しています。だれもがこの新しい種類の食べ物を食べてみたいと思っています。お客さんが入って来た時には、多分それは初めての経験でしょう。皆さんが彼らに心を込めて奉仕すれば、彼らは食べ物と恋に陥り、あるいは皆さんのレストランと恋に陥って、また何度も何度も来たいと思うようになるでしょう。我々は日本レストランから始めていますが、何も日本レストランだけにこだわる必要はありません。我々はいろいろな背景を持ってきているのです。イタリア、フランス、インド、その他あらゆる文化背景からきています。我々メンバーは世界中から来ているのですから、それぞれの特徴あるレストランを始めるのに何の問題もないでしょう。 いろいろなビジネスの中で、投資してからわずか三年で収益を上げることができるビジネスは、それほど多くありません。レストランであれば、一定のお金を投資すれば三年以内にその投資が返ってきます。このようにして我々は、更に多くのレストランを作ることができます。そしてこれらのレストランが成功した後には、そのような実績があるので、銀行は我々のレストランが安全であると分かり、銀行からお金を借りることができます。お金を返済するのに何の問題はありません。我々はそういった基盤を作ることができます。さらに最も重要なことに、我々は人々に魚を食べることを教えることができます。将来の食事は魚です。我々がこのような投資をしてそこから成功することができさえすれば、我々はさらにそれを発展させ、さらに大きな成功が保証されます。

 レストランにおいて、皆さんは毎日多くの人たちに奉仕することができます。そしてこのようにして、それぞれの地域社会において一味違ったことをなすことができます。そのことを考えてみなさい。このように非常に意味のある、そして現実的な方法を通して、アメリカの精神や魂を向上させることができます。アメリカの人たちは、我々と友情を築くことができるようになります。そして彼らは現実的な方法で我々を知ることができるようになります。いかにして、我々はこの国のために奉仕することができるか。現実的な方法を通して、いかにすればそれをなすことができるか。我々は本当にこの国を救うために、我々がなすあらゆるものを通して基盤を作りつつあります。我々は現実的な奉仕を通して、人々に手を差し伸べることができるのです。私たちは機械や船、車、魚や寿司などを売っているかもしれません。しかし真に重要なことは、我々が人々に奉仕し、そして彼らとの間に良い関係を築くということです。我々は我々の基盤を築いているのです。そしてそれはまだ些細なものであるかもしれませんが、いつの日か、それは国中に広まり、良い影響を与えるようになるでしょう。 これは皆さんの国です。皆さんはこの国の良い将来を見たいと思いませんか。皆さんは、皆さんの時とお金と努力をささげることができなければなりません。今は、人々は我々を誤解していますが、やがて彼らは我々の仕事の背後にある本当の動機が分かるようになるでしょう。

 漁業において、我々は全く新しい基盤を造らなければなりません。我々は出かけて行って魚を捕まえます。我々はその魚を買って、それを我々のレストランに売ります。我々は魚の配達人であり、同時に小売人にもなります。なぜ、現在において漁業がそんなに低迷しているのでしょうか。家で毎晩食べるには魚があまりにも高いために、大部分の人々は特別の時以外は魚を買おうと思わないからです。しかし、本当に漁船から来た時に魚は高いのでしょうか。そうではありません。漁師たちは彼らの仕事にもかかわらず、だれよりも少ないお金しかもらっていません。水揚げの時の魚の値段は非常に安いのですが、だれがお金をもうけているのでしょうか。それは仲介人です。仲介人たちは魚を安く買って、それを高い値段で売るのです。これは公平ではありません。これは漁師にとっても、消費者にとっても公平ではありません。

 我々は大衆のための利益を考えなければなりません。我々は安い値段で良い魚を提供しなければなりません。いつの日か、人々はこのことを考えてムーニーを歓迎するようになるでしょう。我々がマグロ釣りの訓練を始めた時には、ばかげた反対しかありませんでした。それは人々が非常に恐れていて、パニック状態に陥ったからです。しかしながら、人々が我々のそばで魚を捕ってみて、我々がいかに行動しているかを見て、我々がまじめな人間であることを知りました。そして魚の値段が漁師のために上がりました。我々の運動がそのような値段の上昇に影響を与えたのです。我々はお金を投資してすべてを失いましたが、漁師たちは本当に幸せでした。彼らはより高い値段で我々に魚を売ることができたからです。今年彼らは同じようなことが得られると期待し、望んでいます。彼らは先生がダンベリーへ行かなければならないことを本当に心配していました。彼らは魚の値段についてどうなるか心配して、我々が彼ら漁師を助けるのをやめるのではないかということを心配していました。もし彼らが今年の夏、先生が来るかどうか聞いた時には、このように答えてやりなさい。「皆さんがレバレンド・ムーンを刑務所に入れたのです。長年の間、皆さんはレバレンド・ムーンを取り除きたいと思っていました。今彼が周りにいないことが分かった時にアメリカの人達は苦しんでいます」彼らにこの点を考えさせるようにしなさい。

 我々は今、訓練しなければなりません。それが今年の夏に関して、心の中に留めておく唯一のことです。先生は皆さんの顔を見て、そしていろいろ勉強しました。皆さんが幸運だったがゆえにここに来ているのです。皆さん自身はここにいることをそれほど幸福に感じていないかもしれませんし、皆さんの前途に横たわっている厳しい仕事のことを考えているかもしれません。しかし、ある意味では皆さんにはそれ以外の選択の余地はないのです。皆さんは偶然にここに来たのではありません。何かが皆さんをここに引っ張っていると感じたのです。しかしながら、皆さんは今やっていることに集中し、本当に心を注がなければなりません。もし皆さんの心がここにないとした場合、何かが起こるかもしれません。

 先生は特に事故について心配しています。お互いに悪い人間関係は作らないようにしなさい。船の上においてはこのことは深刻です。我々は注意深くなければならないし、自らを訓練しなければなりません。我々の船の上において、お互いに悪いことが決して起こらないように注意しなさい。もし皆さんがだれも信仰の背景を持っていないような船の中で働く時は、さらに深刻です。普通の漁船の上で、もし皆さんが敵を作るようなことがあれば、船の縁から突き落とされ「命を失う」ということが極めて簡単に起こるでしょう。「事故」というものが起こり得るし、だれもそれが事故でなかったということを証明することはできないのです。分かりますか。このようなことが起こります。だから我々は、ここでいかにして良い人間関係を作るかということを学ばなければなりません。

 海は非常に困難な所です。船においては、常にすべての安全手順に従って動きなさい。また泳ぎ方を知っていることは重要です。もし皆さんが泳ぎを知らなければ、常に救命胴衣を身に付けていなければなりません。海の上においては多くの異なったものを見るでしょう。時には巨大な鯨が船のそばにやって来て、ラインをめちゃくちゃにしてしまうかもしれません。皆さんは生徒として学んでいるのですから、この夏はすべての種類のことを学ばなければなりません。皆さんは魚釣りについて学ぶでしょうが、それとともに人生についても学ぶのです。将来について、過去について、また自分の周りの人々について考えてみなさい。そして自分の信仰生活や、どうして自分が教会に入ったかについて考えてみなさい。

 心配してはいけません。時間をかけなさい。皆さんはまだ小学校にいるようなものですから、そういう時には博士号を持った人のように振る舞ってはいけません。博士号を持っているような経験を持った人たちは、皆さんを「青二才」だと見て、そして「おー、彼らはいつ自分と同じような経験を持つようになるのか」という具合に考えるかもしれません。我々は海にはまだまだ未知の部分があることを理解しなければなりません。普通の人が夢にも見たことがないようなことを、海において発見するでしよう。そのようなことが起こるでしょう。先生は海底深く探求するような潜水艦を開発することを真剣に考えています。

 先生はまた、このグロースターに海洋大学を建設することについても、極めて真剣に考えています。我々はそのような大学を建設するための土地を買いました。しかしこの地域の人たちは恐れをなして「レバレンド・ムーンはこの地域を乗っ取って、ある種の専制政治をしようとしているのだ」と叫びました。もちろん、彼らは今はそのようなことが本当でないことを知っており、彼らは我々を受け入れ始めています。いつの日か、我々はそのような海洋大学を実現するでしょう。考えてみなさい。アメリカはこのように発達した先進国であり、神を敬う国であり、世界の一流国です。ところが、この美しい家は四年間も我々に対して閉鎖されていたのです。人々はこの家に一人の人も入ることを許しませんでした。人々は言いました。「カソリック教会は良いけれども、統一教会はだめだ」と。世界中で、アメリカのように宗教の自由がある国がほかにあるでしょうか。だから我々は反撃して、我々の権利を主張しなければなりませんでした。そして我々はこのグロースターの土地を使うために、反対する人々を訴えると脅かさなければなりませんでした。その人たちも訴えられることを考えて、結局、自分たちが負けるであろうということを認めるようになりました。我々の動機は戦うことではありませんでしたが、我々はそのような不義な行為に対しては挑戦しなければならなかったのです。

 今、我々は訓練を始めようとしています。そしてこれは、海にとっての新しい時代が始まろうとしているのです。これは本当に歴史的なことであり、皆さんは今それに参加しているのです。なぜか、なぜならば、将来いつの日か、この地域のすべての人たちが統一教会についてはっきりと知るようになるからです。そして多くの人たちが統一教会に入教するようになるでしょう。皆さん、そう信じませんか。世界中から何百万の人たちが統一教会に入教するようになるでしょう。

 彼らは、このグロースターの港に、そして皆さんがこの訓練プログラムの意味を先生から個人的に聞くことができたグロースターのこの特別な家にやって来るでしょう。この一九八四年のクラスのたった七十六人のメンバーはこの新しい時代の「ピルグリム・ファーザー」と見なされるようになるでしょう。今、皆さんはこの夏中グッド・ゴーの船に責任を持っています。将来、このような責任を持つ人々は選抜されるでしょう。恐らく十万人に一人が選び抜かれて、全体で七十人か八十人だけが、ここに来て、グッド・ゴーの船を割り当てられるようになるでしょう。今日、皆さんはそれほど競争もなく選ばれて、キャプテンとなるべく訓練を受けることができるのです。皆さんの中でここに来て、長い間つらい仕事をしなければならないと言って、不平を言っている人たちは手を挙げて先生に言いなさい。「私はこのような開拓をしてオーシャン・チャーチの先祖となる機会を逃したいと思います」と言いなさい。皆さん、去るのは自由です。もし皆さんが今から十年先、二十年先どのようになっているかについてのビジョンを持っていないならば、去ってしまってもかまいません。皆さんは今、我々が本当に歴史的な瞬間にいることを認識しなければなりません。

 先生は毎年釣りに来ましたが、毎日、嵐であろうと良い天気であろうと、先生は船に乗りました。また前の日どんなに遅く床について、どんなに早く起きなければならない時でも、先生は船に乗りました。しかし今は先生が自由に出かけることは安全ではありません。これが先生が我慢しなければならない現実です。先生は無神論や共産主義に対して断固とした立場を取っていますから、彼らは何とか先生をやっつけたいと思っています。ですから、過去十年間先生がしたように、毎日、皆さんとともに海に出るということは難しいことです。

 先生は皆さんに自立して欲しいと期待しています。皆さんは独立して自分自身の道を開拓するようでなければなりません。特に今年はそうです。さもなければ、皆さんはどうして自分で自分を養う人間となることができるでしょうか。またどうして、皆さんは他の人を支えることができるでしょうか。皆さん一人一人がこの訓練期間の意味を理解して、これからの二カ月間、そのような基準に見合うようにならなければなりません。皆さんが、船に乗って毎日出かけることがいかに難しいかを体験する時に、先生が過去十年間、毎日ニュー・ホープで過ごした経験を思ってください。この十年のシーズンの間、一度も船の上で横になって眠ったことはありませんでした。先生はこの訓練のために自分のすべての意思と心情を投入しました。先生は船に乗って、マグロを待っている長い間も常に、もっと神と人類のために自分をささげるように祈っていました。このようなことを、ここで皆さんに相続して欲しいと願っているのです。

マグロ釣りの訓練路程

 皆さんも知っているように、マグロも被造世界の一部として何らかの霊的な面を持っています。皆さんが霊的に鈍い時には、マグロは皆さんよりも霊的に敏感かもしれません。皆さんが追い求めているマグロは五百ポンド以上の重さがあります。そのような大きさになるためには、十八年から二十年の年月がかかっています。そのことを考えてみなさい。そのような年齢になるには、そのマグロはこれまでに、どれほどの種類の危険を何度も何度も逃れて来たことでしょうか。何度も捕まえられそうになったこともあったでしょう。しかしそれを何とか逃れて来たのです。マグロが五百ポンドまで育ったということは、そのマグロは非常に頭の良い魚だということです。

 マグロは、釣り糸がそこに乗れ下がっているのは、自分を捕まえるためだと知っています。マグロが餌に食い付くのは正常なことではありません。それは一つの事故なのです。ちょうど、人間が酒を飲んだ後に事故を起こすのと同じように、マグロはチャムを食べて酔っ払ってしまい、そしてちょっとした誤りで、その餌に近づいてそれに食い付くのです。皆さんがここで違いを作る秘けつは、皆さんが心を集中して、すべての思いを尽くし、努力して、マグロを皆さんのところへ引き寄せることなのです。

 もし皆さんが本当に集中して、霊的に敏感になれば、ある日目を覚まして顔を洗って船の方に行こうと準備している時に、既にその日の何時ごろにマグロを捕まえることができるか分かるでしょう。時には何時間も待ちに待っていることがあります。その時、皆さんの心がどうしたのだろうかと不思議に思い始め、すると突然心の中に鋭いひらめきが起こります。その瞬間、皆さんは「ああ、あと五分したらマグロがこのラインにひっ掛かってくるだろう」ということを感じます。それを感じるやいなや、マグロがひっ掛かってきます。皆さん一人一人が一心不乱に専念すれば、一度ないしそれ以上の経験を持つでしょう。

 ここで働くことに関して、何らかの法則あるいは原理があるのです。もし皆さんがすべての心を投入するならば、マグロを捕まえるでしょう。皆さんは海の下でどういうことが起こっており、いつ小さな魚が来て、いつマグロが海流や潮によって動くか分かるようにならなければなりません。それを目で見ることなしに、分かるようにならなければなりません。こうするためには集中することが必要です。

 先生はニュー・ホープ号で造ったお金を、グロースターの何らかの慈善事業に寄付することを考えています。そうすれば、マグロはもっと餌に食い付くことが期待できないでしょうか。霊界はマグロに対してニュー・ホープ号のラインに食い付くように奨励するでしょう。今年は割り当てがあるので、先生はその三分の二がムーニーの船によって捕まえられることを期待しています。そうするためには皆さんは本当に餌を愛さなければなりません。餌こそマグロを捕まえるための直接の原因なのです。皆さんは神の愛に連結して、餌にそれを投入しなければなりません。皆さん自身がそれを結びつける要なのです。

 清潔な船は清潔な精神を反映します。秩序だった船はまた秩序だった精神を反映するものです。つまり皆さんのジグ、釣りざお、リール、ライン、フック、その他すべてのものが、本来あるべき場所に整理整頓されていなければならないということです。先生は皆さんの船がたくさんの心情を受け取ったか、それとも少しの心情しか受け取っていないかを直ちに当てることができます。そして皆さんが深く祈っているなら、霊界が皆さんを助け、皆さんに霊感を与え、マグロを皆さんの船に近付けてくれるでしょう。こういう経験を通して、皆さんは神が生きておられることを発見するでしょう。もし皆さんに何か悪いことが起ころうとするなら、皆さんはそれを感じ取ることができるでしょう。今年は、我々は安全性について関心を持たなければなりません。事故を避ける最も良い方法は、真剣になって自分のすべての心情を、自分が今なしていることに投入することです。皆さんは霊的にも自分自身を主管しなければなりません。いつも自分自身を律しなければなりません。

 ここで一つ重要な質問をしたいと思います。「今シーズン中に皆さんは何回ぐらい兄弟姉妹と争いをするでしょうか」。皆さんはそのような状況を望まないでしょうが、時として、そのような状況に巻き込まれて争いが起こることがあるでしょう。その時皆さんはどうしますか。皆さんはいかなる争いが起こることも許してはなりません。皆さんは海に出て行く前に、地上においてそのような状況を作り出すことを避けなければなりません。午前中、皆さんが魚釣りをしている時には、皆さんの心の中にあることを外に出してはいけません。たとえ皆さんの心が燃えるようであったとしても、それを顔に表してはいけません。家に帰る途中、それをいくらか出してそれについて話し合ってみなさい。

 時々船にいて、風が吹き、嵐が来ることがあるかもしれません。これは非常に危険なことであり、そのような時に自分の感情を出すことは非常に悪いことです。家に帰ってから暖かいシャワーを浴びて、良い食事をする方が良いのです。そうすれば皆さんは心が寛大になって、皆さんを怒らせたかもしれないような言葉を忘れるでしょう。海に出ている時には、決してつまらないことで心が引っ掛かることがあってはなりません。だれかがどんなに皆さんの心をかき乱すようなことが、そのような人は無視しなさい。だれか隣の人の犬が皆さんに向かってほえているんだという具合に考えなさい。

 自分の目標を常に念頭におきなさい。皆さんはここに争いをするために来たのではありません。ここにマグロ釣りに来たのであって、これが皆さんの目的です。ここへ来た目的ではない、いかなるものにも巻き込まれてはいけません。いつの日かすべての心をささげて、それでも何の結果も得られないということがあるでしょう。そういう時は悔い改めるのに良い時です。悔い改めて、そして何か自分に欠如していることはないか、理解できなかったり、適応できなかった部分がないかを探してみなさい。皆さんはそれぐらい真剣でなければなりません。この訓練期間が終わった後、いつの日か独立しなければならない日が来るでしょう。もし、自分の生計を得るために海に出て、魚が捕れないとしたならば、だれが皆さんを助けるでしょうか。政府が皆さんに補助金を出すでしょうか。神様が皆さんにお金を与えるでしょうか。恐らくそういうことはないでしょう。先生が皆さんを助けに来てくれることを当てにしてはいけません。先生はいつもそうできるとは限りません。皆さん、そうすることができますか。皆さんは先生の所へ走って来て、助けを求めますか。それとも真剣になって自分でそれをしますか。それができる人、あるいはしようと思っている人、手を挙げなさい。女性たちはどうですか。もし魚を捕まえることができなかったらどうしますか。マグロは女性がマグロを釣りに行くのを見て笑うでしょう。女性の皆さんがより早く実績を欲しいと思うならば、一度で良いから男性の言うことを聞きなさい。そうすればマグロはこう言うでしょう。「ああ、彼女は女だけれども男性を尊敬している。だから我々も彼女たちに対して寛大になることができる」。だから女性たちは男性たちと喧嘩をしてはいけません。そのようにして皆さんは男性に打ち勝つことができます。それは良いことです。

 皆さんは先生がマグロを釣るのを待っている間、一日中何をしていると思いますか。マグロを捕まえて陸揚げするのは、一日のうちほんの一時間ぐらいのものです。それ以外の時間を、先生は何をしているのでしょうか。何もしないでただじっと座って、水の中のラインを見ているだけのように見えるかもしれません。しかし先生は一瞬一瞬に自分のすべての心をその努力の中に投入しているのです。先生は針に付けた餌をいつも調べます。魚が食い付かないとしても、時々ラインを引き上げて餌を調べなければいけません。たとえ近くに魚がいないようであっても、一日三回は餌を取り替えなければなりません。先生は浮きを見れば、ラインに餌がついているかどうか言い当てることができます。ゲーハートができるかどうか知りませんが、ゲーハートもできるはずです。これが分かるということは当たり前のことです。もし餌がなくなってしまっていたならば、ラインを巻き上げて新しい餌を付けなければなりません。

万物と心情の関係

 人間は実際には非常に敏感で、物事を知ることができる被造物です。潮流の流れや、それが今どうなっているかを経験から分かるようにならなければなりません。また流れによって、フックがラインからどのように垂れ下がるか、分かるようにならなければなりません。特に七尋(ファザム)半と十尋(ファザム)のラインがマグロを最も釣りやすいラインです。皆さんは餌とそれが水中でラインからどのように動くかについて、心の照準を向けなければいけません。皆さんはまたさまざまな関連した現象を発見するでしょう。全シーズンを通して六ないし八本のラインを使うかもしれませんが、マグロが食い付くのはたった一本のラインです。皆さんは「それはちょうどマグロにとって良い位置にあったからだ」と考えて、ラインの位置を変えるかもしれませんが、しかしそれでもそのラインにマグロが食い付くのです。このようなことを今日の科学でどのように説明しますか。

 霊界は競馬におけるダーク・ホースのようなものです。それはほとんど起こりえないようなことですが、それが起こるのです。例えば、皆さんがだれかが捨ててしまったような古いラインを拾ったとします。他の人たちがそのラインでたくさんのマグロを釣ったのですが、遂に新しいラインに付け替えました。皆さんは新しいラインを持っているけれども、その古いラインも使ってみたとします。すると突然その古いラインにマグロがかかるのです。それをどのように説明しますか。そういうことが実際に起こりました。だから先生はこういったことをも話しているのです。皆さんは魚具、フックやラインを愛さなければなりません。魚を捕るそれらの道具を大切にし、一瞬たりとも目の届かない所に置きたくないと思って、自分のベッドにそれらを持ち込むようにならなければなりません。そういった心情、そういった愛は良いことです。この愛がいたる所で結合して、そしてそれが目に見えない方法で、ほとんどありえない方法で結び付くからです。

 日本のメンバーが先生の周りに来て「ニュー・ホープ号は古い船になりました。今はもう十三年以上経っています。お父様、新しい船に変えましょう」と言います。先生は彼らの感情を傷つけたくないので、「おー、君はそう思うかね」という具合に答えています。しかし実際には「お前は何ということを言っているのだ」と思っているのです。この訓練プログラムがいかに始まったかという歴史を書くとしたら、その九九パーセントはニュー・ホープ号のことが中心になります。たとえ新しい名前の船を買ったり、あるいはだれかが我々に船を寄付してくれたとしても、その船についてはそれほど書かないでしょう。

 それはちょうど、結婚のようなものです。もし皆さんが十年間結婚して、奥さんが年を取ったとします。そうしたら皆さんはその奥さんを追い出して、新しい奥さんを迎えますか。もしそのようにしたらニュー・ホープ号はどのように感じるでしょうか。嬉しいでしょうか、悲しいでしょうか。恐らく泣き叫ぶでしょう。だから先生は次の世代の者にすべてを譲り渡す時には、新しい船に変えようと思っています。その時には、ニュー・ホープ号を引退させて特別の博物館に入れてやります。ニュー・ホープ号もこれが当たり前だと思うでしょう。船は自分が永遠に生きられないことを知っており、時が来れば交代することに同意するでしょう。先生は本当にそのように思っているのです。先生はニュー・ホープに対してそのような感受性を持っています。このことは我々すべてに言えることです。我々は、この世の人とどのように違うのでしょうか。それは心情を通してです。我々はこの世の大部分の人々がなしているのとは全く異なった心情的な世界を創ろうとしているのです。ニュー・ホープ号やワン・ホープに乗る時には、本当にそれらを愛さなければなりません。

 皆さんは船が割り当てられた時に「あー、もっと新しい船が欲しい」などと言ってはいけません。決してそのようなことを言ってはいけません。ただその船を愛しなさい。ついにはその船が愛を返して、多くの魚を捕まえてくれるでしょう。船に対して「去年、お前が良く働いてくれたことを良く知っています。今年は私がよく面倒を見てあげます。だから一つとなって成功しょう」と言ってやりなさい。

 一日の終わりに、海から帰って来る時にはチャムの場所をきれいに掃除して、悪臭を取り除き、船を手入れして本当にきれいにしなさい。そうすれば、船を見た時に気持ち良く感じるでしょう。そうすれば、船もまた立派に見えるのです。船を良く手入れをして、それを正しく取り扱いなさい。これが皆さんの責任です。日中は魚を捕ろうとして、忙しくて船をきれいにすることはできません。船もそのことはわかってくれます。しかしながら、海上でもし何か悪いことが起こったならば、たとえそれが小さなことであっても、船を手当てしなければなりません。

 二、三週間真剣に経験を積めば、皆さんはエンジンがどのような音を立てているか分かるようになるでしょう。そしてエンジンが容量を超えている時を聞き分けることができるようになるでしょう。その時にはスピードを落とさなければなりません。エンジンは人間の体の心臓のようなものです。海において、もしエンジンがだめになったならば、本当に深刻な状態に陥ります。実際にエンジンは皆さんの命より大切なのです。皆さんはそのように考えなければなりません。だから決してエンジンを酷使してはなりません。緊急事態の時はやむを得ないかもしれませんが、決して理由もないのにエンジンを酷使してはいけません。エンジンを家族のように、つまり自分の夫や妻のように愛しなさい。そうすればエンジンがだめになることはないでしょう。

 鳥が飛んで来て、自分たちが止まって休む船を探す時に、どの船を選ぶでしょうか。このことは特に小さな村に見ることができます。たくさんの家がありますが、いつも一つの家だけがたくさんの鳥たちがやって来て休むのです。そして驚くべきことに、その家は大変栄えた家です。本当です。その理由は、その家には何世代もの間蓄えられた多くの愛があるからです。

 だから我々もそういうことを心において、ムーニーの船は心情を込めて愛さなければなりません。実際先生は、今年ここへ来て皆さんに話をする必要があるかどうかと思いました。しかし、ニュー・ホープ号のことを考えて、先生は「自分は毎年、ニュー・ホープ号の所へ来たのだから、先生が来なければニュー・ホープ号は寂しく思うだろう」と思いました。先生はそんな寂しい思いをさせるわけにはいきませんでした。最近、ニュー・ホープ号はモントークという所で魚を捕っていました。しかしそれをグロースターに返すように頼みました。だからニュー・ホープ号はここへ来てから数日しか経っていません。だから先生もグロースターに来てニュー・ホープ号を訪ねることを考えざるを得なかったのです。先生は船に話しかけ、「去年の夏、私はお前と一緒にずっと毎日漁をしたが、今年はそれほど一緒漁に出ることができない。私はお前にそれを分かって欲しい」と言おうと思ったのです。ニュー・ホープ号は先生がそれほど長くそばにいられないことを分かっているだろうと思います。なぜこういうことを皆さんに言うかというと、今年は皆さんが愛するもの、すなわち皆さんの船にそのような精神を失わせてほしくないからです。船に損傷を与えてはいけません。ちょうど自分の体を守るように、思いを尽くし心を尽くして、皆さんの船の手入れをしてください。

共に働くことを学ぶ

 皆さんをこの夏一緒に連れて来たのには理由があります。皆さんの中の何人かはオーシャン・チャーチのメンバーで、既にこのような訓練を受けています。またその他の人たちは魚を売っていても、魚を捕まえるのがいかに難しいかを知らずにいます。そういう人たちは漁師に簡単に「出て行って、魚を捕れ。私はそれをお前のために売ってやる。」と言いました。しかしこれは正しくありません。魚を売る人たちは、魚を捕ることがいかに難しいかということをも理解しなければなりません。

 皆さんが異なった道を行って、一方はただ魚を捕るだけで、もう一方が魚を売るだけであれば、魚を売る方がいつも要求をすることになります。魚を売る人は「私はあなたが捕まえている魚は好きではありません。あなたはこうすべきだ、ああすべきだ」と言うでしょう。もし彼らが魚を捕まえなければならないとしたら、捕まえている人の事情が分かって、そう簡単に捕まえている人を責めたりはできないでしょう。それと同じように、しばしば捕った後の船の上での取り扱いが悪いがゆえに、魚が悪くなっています。いろいろなことで魚がだめになっています。だから魚を捕る人も、売る人も、お互いから学び、共により緊密に働かなければなりません。

 アメリカ人は、日本のメンバーとともに働くことから、たくさんのことを学ぶことができます。日本のメンバーは一つ有利な面があります。先生はここ数年間、彼らを綿密に見てきました。アメリカ人が船を管理するとその船は汚いままになります。ところが日本人の船はいつもきれいです。日本人はきれい好きの人が多いと思いませんか。彼らは何でもきちんと整理整頓しておきます。ここに非常に良い証拠があります。ニューヨークの町に行って、五番街に駐車してある車を見てみなさい。その車はたとえ金持ちが所有する車であっても、非常に汚い。ところが、東京ではどの車も真新しいような状態です。東京の町には汚く見える車は一台もありません。このことは日本人全般の性格を物語っているものです。

 これらのことは観察です。ですから皆さんも船をきれいに保って、日本人の水準に負けてはいけません。東洋人について言えるもう一つのことは、彼らのお金の使い方が質素であるということです。日本人を見てください、例えばハッピー・グループの日本人を見てください。彼らは背が小さいし、それほど積極的ではありませんが、一人一人はお金の使い方を知っています。皆さんは好まないかもしれませんが、日本人から学ぶことがたくさんあるのです。だから先生は皆さんを一緒に働かせて、お互いに学ばせようとしているのです。西洋のメンバーにとっての第一歩は、東洋のメンバーを観察することです。

 もう一つ質問をします。皆さんは先生が好きですか。なぜ皆さんは先生が好きですか。先生は西洋人ではありませんよ。先生の目は皆さんより細くて小さいです。先生の皮膚は白ではなく、褐色です。先生は韓国人です。もし先生が「よし、ではだれか他の人を先生の立場に付けてやろう。さあ、たとえばゲーハートはどうかな。彼は非常にでっかい男だ。彼は背が七フィートもあるし、顔も手も大きい。足は先生の両方の足よりも大きい。だから彼が大きいから、彼を統一教会の責任者にしてやろう」と言ったとしたら、どうですか。それは良い考えだと思いますか。ゲーハートは先生の代わりの立場に立つべきでしょうか。皆さんはそう思いませんか。ではレーガンについてはどうですか。レーガンが先生の代わりの立場に立つべきだと思いますか。彼らは先生の立場において、決してそれをうまく果たすことはできないでしょう。先生には他の人が取って代わることのできない能力があるのです。それと同じように、日本人は西洋人が取って代わることのできない能力を持っています。アメリカの指導者たちと日本の指導者たちとは違っています。困難に直面して、アメリカの指導者たちは引き下がる道を考えがちです。それに対して、日本の指導者たちは決して引き下がることは考えないでしょう。また宗教生活においても、信仰生活においても、日本人たちは皆さんのお兄さんです。彼らは祝福も早く受けたし、また信仰生活も長く追求しているわけです。だから彼らに対して不平を言ってはいけません。

 先生は何も日本人をひいきにしているわけではありません。アメリカ人もより良い潜在的な能力を持っているかもしれませんが、日本人は既にそれを証明したのです。先生に正直でありなさい。皆さんはどっちを取りますか。日本人が一度何かをすると決心をすれば、彼らは一生かかってもそれをするのです。もし日本人がある会社に就職すれば、彼らは一生その会社のために奉仕します。日本レストランを経営しているアメリカ人はどうですか。彼が二人のコック、一人はアメリカ人でもう一人は日本人を雇ったとします。そして一年後、アメリカ人のコックは他のレストランからより良いサラリーを示されたら、全く何の悔いもなく、「さよなら」と言って、直ちにそのレストランを辞めてしまうでしょう。ところが日本人はそうしません。日本人は十年、二十年同じレストランに勤めるでしょう。こういうわけでアメリカ人のオーナーは一つの教訓を学んで、日本人を雇おうとするのです。日本人は一度心が何かにつながれば、決してそれから離れることはないのです。皆さんもこのようでなければなりません。先生は皆さんに多くの期待を持っています。だから皆さんを、こうして日本人と一緒に働かせるように連れて来たのです。

 さあ、いよいよ今年の夏の訓練が始まります。出かけて行って、海から学びなさい。先生は皆さんが真剣になって、そして特に今年は事故を起こさないように頼みます。マグロ釣りにおいては、もし一週間も二週間も何も釣れないと、皆さんは集中力を失い始めます。そしてかごをけり回ったり、あるいはラインをデッキの上にそのままにしておいても構わなくなります。しかし、マグロは何ら警告なくしてやって来ます。皆さんは、決してラインの上に足を乗せたまま立っていてはいけません。これは非常に危険です。常に自分がどこにいるか、そして船の上のどこで動いているか、注意を払わなければなりません。

 船の上ではすべてをきちんと整理整頓しておきなさい。そうすれば事故が起こるのを最小限にしてくれます。もしラインの上に足が引っ掛かったらどうしますか。この点を特に注意しなさい。もしそういう事態になったならば、マグロには構わないようにしなさい。皆さんの安全のためです。皆さんの生命が危険にさらされているのです。今年の夏は、先生は皆さんが危険や事故から、身を守ることを強調しておきます。

 皆さんは自分たち自身を木のように組織しなければなりません。十隻ごとに一人のリーダーを置き、三隻ごとが一つとなって三位基台のリーダーを置くようにします。これらの三隻の船は三位基台として、特に一緒にいなければなりません。そしてお互いに注意しあって、助け合わなければなりません。このような組織でいけば、一隻の船も事故に巻き込まれることはありません。互いにお互いの面倒をみなさい。そして三位基台は互いに助け合って、お互いに注意し合いなさい。このようにしてすべての船を、この修練期間中、組織するようにしなさい。

 皆さんが主に関心を持たなければならないことは、船が故障を起こさないようにすることです。もし皆さんの船が動かなくなれば、出かけることはできなくなります。そういうことを防ぐためにあらゆることをすべきです。だから我々はこのようにするのです。今日が始まりです。あと三日後には、皆さんは陸での訓練を終えて、海に出かけて行って魚を釣り始めることになります。先生がここに引き続きいるかどうかは、この訓練の中心ではありません。そういうことには関心を払う必要はありません。先生は既にマグロ釣りは十分しました。ですから、それについては良く知っています。先生がここで釣りをするかどうかについては心配する必要はありません。皆さんは毎朝決まった時間に出かけて行くのです。これが我々の伝統です。皆さんはそれに従わなければなりません。先生は今、他の種類の魚、例えばストライプバスとか、平目とかを釣ることを研究しています。後にはハリバットを釣るために、アラスカへ行く予定です。ここで良い記録を出した人は、先生と一緒に行くことができるかもしれません。今シーズンの皆さんの関心は、本当の漁師になることです。船の中で眠り、船の中で食べるようにしなさい。この夏の期間は非常に貴重なものです。これは皆さんにとって、皆さんの一生にとって価値のある訓練です。だから先生は、ただ皆さんがすべての心情と努力を投入してもらいたいと思っているのです。皆さんに神の祝福がありますように。























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