内外の貴賓と「自由の賞」受賞者、ならびに紳士淑女の皆様。私は「ワシントン・タイムズ」の創設者として、「自由の賞」の受賞者に祝賀の意を表する次第です。皆様は、自由守護のための業績を認められる資格が十分にある方々です。今夜、このようにして振り返ってみると、「ワシントン・タイムズ」の設立を決定した一九八一年当時のことが思い出されます。
共産主義の崩壊に決定的な役割を果たす
私と共に、当時の状況を回想してくださることをお願いいたします。「ワシントン・スター」が廃刊になることによって、アメリカの首都であり、自由と民主主義の世界的な灯火であるワシントンDCに、リベラルの代表的新聞である「ワシントン・ポスト」だけが残るようになった事実は、許容し難いことでした。
当時、「ワシントン・ポスト」が築き上げていた領域に、新しい保守系紙が挑戦するということは考えられないことでした。はっきりと申し上げますが、政治的影響力の増進や宣教の手段、あるいは個人的蓄財追求のために私がこれを行ったとすれば、「ワシントン・タイムズ」の設立は、それこそ誤った事業だったはずです。実際、私は、これまでの十年間、この新聞に十億ドル近い資金を投入しました。
私が「ワシントン・タイムズ」を設立したのは、ただ、この事業がアメリカとアメリカのユダヤ教とキリスト教の遺産を愛される神様のみ旨であり、神聖な計画であることを理解したからでした。
神様はアメリカに、伝統的価値観の崩壊から世界を救うための中心的役割を引き受けてくれることと、共産主義の脅威から自由世界を守ってくれることを望んでおられます。ですから、神様のみ旨成就のために全生涯を捧げてきた私は、アメリカがこのような摂理的な役割を遂行するに当たって責任ある指導力を備えさせるために、少しのためらいもなく、「ワシントン・タイムズ」を創刊しました。
今回の十周年記念式は、「ワシントン・タイムズ」が共産主義の崩壊に決定的な役割を遂行したことを祝って、アメリカと世界の将来を輝かしいものとするための行事です。私はこの機会に、世界の平和統一実現の原則を皆様に明らかにしたいと思います。
平和統一の根幹は真の愛
紳士淑女の皆様。この世で最も大切なものがあるとすれば、それは神様を中心とした真の愛です。皆様がお金や権力で買うことのできない何かがあるとすれば、それは真の愛です。
真の愛は、関係がつくられなければ実現できない特性があります。その関係とは、主体と対象という二つの存在が互いに与え合うことを必要とします。夫と妻の愛、父母と子女の間の愛、兄弟姉妹の愛は、そのような関係の中でつくられるのです。同様に、神様も、真の愛の理想を実現するためには、御自身の対象である宇宙を創造する必要があったのです。
神様のすべての創造物の中で、人間は愛における最上級の存在としてつくられました。私たちは、真の愛を通してのみ、神様と人間、男性と女性、そしてすべての被造物の間に真の調和を形成することができます。
真の愛は、すべての統一体と絶対価値の究極的な中心です。この真の愛は、人のために生きる行為から始まります。他人のために尽くしたのち、その行為を忘れて再び尽くすのが真の愛の属性です。それで、神様が愛する対象を創造されるとき、神様自らが、その創造のために尽くされたのです。神様は御自身がもっておられるものをすべて投入されました。その後も、神様はさらに投入され、また再び一〇〇パーセント投入されるのです。
自然界で空気が移動するとき、真空状態になったとしても、空気は素早く回転運動をしながら、その真空を満たすようになります。人間の人生においても、私たちが愛を施し、それ以上与えるものがなくなれば、神様の限りない愛が私たちの心に直ちに伝わり、空いたところを満たすようになるのです。これが根本的な精神的真理です。
したがって、人のために絶対的に尽くすようになれば、私たちは無限の力を得るようになります。神様は人間を愛する主体的立場におられます。神様が繰り返し愛を施そうとされる本性は、不滅の動的作用となり、神様の永遠の存在の特性を形成するようになります。
これは論理的な方式で現れます。永生は、真の愛を実践する生活の自然な結果なのです。愛には、相続権と同位権、そして同参権という特性があります。アメリカの大統領になった人の中で、妻は高等学校も出ていない人もいるでしょう。しかし、彼らが互いに真の愛で愛し合うようになれば、夫に属するものは同時に妻に属するようになります。彼らは昼夜を共に暮らすので、大統領夫妻としてそれぞれホワイトハウスを占有する権利があり、共に国家の運営に参加するようになります。
愛にはこのような重要な三つの特性があるので、皆様が神様の絶対不変の愛を占有する位置につくようになれば、神様と共にいるようになります。皆様は、いつも神様と共に暮らす権利をもつようになるのです。
皆様がこのような真の愛を、皆様の心と体に一〇〇パーセント受け入れれば、神様の愛の根が、皆様の心で育つようになるのです。そうして皆様は、神様が感じるすべてのことを感知できるようになり、皆様の体は自動的にそこに共鳴するようになります。
したがって、皆様自身を神様の真の愛でいっぱいに満たすことは、心と体を統一させ、神様の永遠の対象になるための必須条件です。私たち人間が、神様の愛に共鳴し、神様と統一される領域内に入るようになれば、神様の愛は皆様の愛になり、神様の生命は皆様の生命になります。そして、神様の血統は皆様の血統になって、神様の創造物は皆様の創造物になるのです。
人間の生は、神様の生に似ています。神様の生の核心は、対象のために生きる真の愛です。ですから、人間は他のために創造されたというのが、神様の原理です。他のために生き、犠牲になることによって、愛の理想が実現されるのです。
このような原理を念頭に置いて考えるとき、各自が自分のために生きる、現代の個人主義哲学からは、世界平和は期待できません。個人が神様の対象として生きる領域を破壊することが悪の目的です。そのようなことが起これば、自分のために生きる個人だけが残るようになります。これが、家庭破壊と人種間の葛藤、経済的不平等と宗教間の葛藤をもたらす根本的な原因になるのです。
アメリカに来た目的は若者たちを覚醒させるため
アメリカは、ユダヤ教とキリスト教を中心とした愛の精神の上に建てられました。それなのに、なぜアメリカはこのような個人主義文化を発展させてしまったのでしょうか。私は、共産主義と闘いながら、アメリカの若者たちを呼び覚ますために、絶えず努力してきました。そして、私は、自由世界に対し、退廃的傾向に陥ってはいけないと繰り返し警告しました。しかし、アメリカはいまだに数多くの社会的弊害に苦しめられています。麻薬との戦争、エイズ、次第に増加する暴力犯罪など、ありとあらゆる弊害現象が、暗い将来を予告しています。アメリカがもつ軍事的、経済的、知的な力を動員したとしても、このような悪弊を退治することはできません。
これこそが、私がアメリカに来ることになった理由です。私は傷を治すために呼ばれた医者のような立場にあります。私はアメリカで不当に起訴されても、それに応じるために進んで韓国から戻りました。なぜなら、真理が勝利すると信じたからです。私は不当に起訴され、収監されました。それでも私は、アメリカを救おうという思いに変わりはありません。
私は裁判を受ける間、被告席に座り、「ワシントン・タイムズ」創刊のため最初の小切手に署名しました。「ワシントン・タイムズ」は、ニュース報道と論説を通し、共産主義の脅威に対してアメリカ人に警戒心を呼び起こすことに決定的な役割を果たしました。また、ダンベリーの監獄にいるとき、この国を助けるという精神から、雑誌「インサイト」と「ワールド・アンド・アイ」を発行するよう指示しました。
雑誌「インサイト」は、アメリカ議会の議員の指導力がどの方向に発揮されているのかを一般大衆に知らせるために、彼らの投票実績を毎週公開しました。そして、「ワールド・アンド・アイ」は、世界的に有名な学者たちの、人々を善導する論文を掲載し、人類の将来における思想的な地平を広げようと試みてきました。
私がアメリカの衰退を案じて、「アメリカ自由連合」を設立するようにしたのも、ダンベリーの監獄でのことでした。「アメリカ自由連合」は、全国的な組織網を通し、一般国民を対象に、より良い社会を建設するための教育をしています。私は最近「アメリカ奉仕連合」を発足させました。この組織は、神様の真の愛でキリスト教を覚醒し、再結合させる運動をしています。
この国が私のことを拒否し続けても、私は引き続き、アメリカが摂理的な責任を負っていることを諭すために、最善の努力をしてきました。神様が人間を救うための作戦は、まず打たれて奪われたのちに、奪われたものを利子までつけて、ゆっくりと取り戻してくるというものです。
一方、悪は、先に打って、最初は勝利を主張しますが、最後にはすべてを失ってしまいます。皆様も御存じのように、第一次、第二次世界大戦と冷戦期間にも、先に打った国家は、結局敗北しました。イエス様の生涯は、このような原則を最もよく示してくれる事例です。
イエス様は、激しい迫害を受けて悲惨な状況で亡くなりましたが、結局は数十億もの人類がイエス様に従って神様のもとへと戻ってきています。義なる人が迫害に耐えるようになれば、信念を守るための彼の努力は、迫害者の良心に尊敬と称賛の種を植えるようになるのです。この種は成長したのちに、多くの世代の心を変化させます。このような心情の静かな革命が、天の秘密兵器なのです。私は正に真実な世界平和の道を開拓するために努力しながら、言葉では言い表すことのできない苦難を経てきました。
私が「ワシントン・タイムズ」を設立したとき、協力はおろか、私の意図を理解してくれる人は、ほとんどいませんでした。しかし、私はこれが神様の勝利の戦略であるということを知っていたので、事を進めました。私は「ワシントン・タイムズ」が、私と私の統一運動を犠牲にしたとしても、アメリカと世界を救う道具となることを予見したのです。
神様と人間の愛は、垂直の一直線である軸を形成します。一方、アダムとエバ一組の愛は、横に走る水平な軸を形成します。したがって人類は、神様、そしてアダムとエバという二つの父母の愛と生命と血統を相続するために、神様を垂直的父母とし、アダムとエバを水平的父母として侍らなければなりません。ところで、垂直的自我である心と水平的自我である体は、真の愛で一体となります。この地点において、人類は神様の永遠の対象となるのです。神様と人間は、父と息子のように、真の愛の中で一つにならなければなりません。
人間の心と体も、神様の心と体のように真の愛で統一されなければなりません。しかし、堕落によって、人類は、サタンの愛と生命と血統を受けるようになりました。それで、私たちの心は神側に立っていますが、私たちの体はサタンの支配を受けているのです。私たちの心と体は、その内部の矛盾と絶えず闘っているのです。
今やアメリカが目を覚ますとき
このような状況を克服することが私たちの一生の課業です。神様はこのことを御存じであられ、私たちを修理する工場のような宗教を立てられたのです。宗教は、心が体に対する自然な支配権を取り戻す方法を教えてくれます。断食と犠牲、他人に対する奉仕など、いつも修道者の苦行が、すべての宗教の修行の必須要件になるのは、正にこのためです。
聖書には、アダムとエバが善悪の実を食べたことによって堕落したことが記述されています。しかし、その果実を食べたのち、アダムとエバはどのようにしましたか。アダムとエバは、口や手を隠さず、下半身を隠しました。それは、アダムとエバが、神様を中心とするのではなく、サタンを中心として自分たちの家庭をつくったことを意味します。悪の種はそのときに蒔かれ、邪悪な血統の根源となって代を継ぎ、繁殖するようになったのです。
人間の先祖は、彼らが神様の愛の中で完成する前の若い頃に、神様から遠ざかって堕落しました。これが、今日までも世界各地の若者がアダムとエバの場合と同様に、愛の道義を破って淫らな性行為を続ける原因となったのです。これは、歴史的にも、淫らで非道徳な文明が滅亡する原因として、常に作用してきました。歴史的に見るとき、ソドムとゴモラ、そしてローマまでも淫乱ゆえに滅亡しました。もしアメリカがそのような道をたどるならば、アメリカもまた、滅亡することになるでしょう。
アメリカは今や、目覚めなければなりません。この先十年間、私たちの課業は、実により一層困難になるでしょう。私たちは、単に共産主義との戦いが終わったからといって、緊張を緩めるわけにはいきません。最も先進化され、文明化された国々、例えばアメリカやヨーロッパ、そしてアジアの主要国家で、どのようなことが起きているか、見回してみてください。
地球村を襲っている淫乱の波を、誰が防ぐことができるのでしょうか。世の中は享楽的な生活を重視し、ますます肉体的な欲求を刺激する生活ばかりを追求しています。麻薬との戦争は、完全に、そしてはっきりと失敗に終わりました。麻薬は、その流通を増し続けて、氾濫しています。これは、心の求めている道ではありません。体が追い求めているものです。また、これは死に至る道となります。誰かが立ち上がって、このような堕落した環境から人類を救い、彼らを救いの道へと導かなければなりません。
紳士淑女の皆様。皆様は、メシヤが誰なのか御存じでしょうか。メシヤは人類の真の父母として来られます。真の父母は、偽りの父母から始まった偽りの根を絶やし、すべての人が真の愛の中で暮らす、自由な天国を建設するようになるのです。真の父母は、このような重大な責務を帯びて来られる方です。
私たちが、神様の真の愛の起源を見つけ、自分の心と体が一つに統一され、心から人のために生きたいと思うようになるとき、永遠に変わることのない平和の世界が訪れるでしょう。それは、私たち皆が願う栄光の日となるのです。
何週聞か前に、ロサンゼルスで発生した人種暴動は、単に警察力をより多く動員したり、法を強化したり、あるいは資金をさらに投入したり、政治的交渉をしたりすることでは解決できない問題です。地上に神様の真の愛、すなわち他のために生き、犠牲になる愛がなければ、このような問題を根本的に解決することはできないのです。
真の愛の革命を通した世界平和
私たちに必要なのは、道徳的な革命です。私はこれを「真の愛の革命」と呼んでいます。そして、このような革命は、どこにおいても必要とされています。私と私の妻は現在、韓国でこのような仕事をするための組織をつくっています。
尊敬する指導者の皆様。他のために与え、犠牲になることが、皆様を真の家庭、真の社会、真の国家の指導者にする唯一の道であることを悟るように願います。皆様の家庭と社会、そして国家が、皆様に従って、ために生き、犠牲になる真の愛の大原則を実践するようになれば、皆様は世界平和実現の闘士となるのです。
皆様も御存じのように、私は昨年の十一月に北朝鮮を訪問しました。そのことは世界を驚かせました。私は一生を通して共産主義に反対する立場を取ってきたので、北朝鮮を訪問することは不可能なことのように思われました。私は以前、一九八五年に、共産主義とソ連の崩壊を予言し、宣言した人です。
北朝鮮訪問は、私と妻にとって、生命の危険を顧みない旅でした。私は、自分の国を愛する心で、そして母国の統一を渇望しつつ、北朝鮮を訪問しました。私は金日成主席と会い、意義深い意見を交わしました。
見解の差はあったとしても、対話というものは、いつも有益なものです。しかし、孤立はいつも危険を伴います。金主席は、核問題について、アメリカが満足できるように収拾すると私に約束しました。この問題に対する真相が明らかになる瞬間が、遠からず訪れるでしょう。全体的に見るとき、私の北朝鮮訪問は、アジアと世界の緊張緩和に大きく寄与したと確信しています。
私は、無神論の北朝鮮で、神様と真の愛について説破しました。真の愛は、国家的統一と恒久的な平和のための基本原理であり、精神だからです。ビリー・グラハム牧師が、共産主義国家で初めて説教したことに対し、常に自負心をもっていることを知っています。しかし、今回私は北朝鮮で、それよりも一段階前に進みました。
「ワシントン・タイムズ」とその姉妹紙は、きょう、アメリカと神様に対して奉仕する新たな十年に向かって出発します。しかし、私たちの前には実に、より大きな挑戦が立ちはだかっています。このあらゆる挑戦を克服するために、皆様すべてが闘士にならなければなりません。この先十年間、道徳的なアメリカと道徳的な世界、そして私たちの子女たちのために、より良い世の中をつくりましょう。皆様は、私の支援を十分に期待していただいて結構です。
紳士淑女の皆様。「ワシントン・タイムズ」は、皆様の新聞です。私たちは共に、この有力な新聞をさらに影響力のある新聞へとつくりあげることができるでしょう。神様の祝福が皆様と皆様の御家庭に共にあることをお祈りいたします。ありがとうございました。
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