第四章 世界平和のための提案/南北統一と世界平和

南北統一と世界平和
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第四章 世界平和のための提案

一 国境撤廃と国際平和高速道路

 先生が「科学者大会」(科学の統一に関する国際会議)で平和高速道路計画を発表しました。その時、議長団はそれに反対しました。平和高速道路の中で、一つは韓日間にトンネルを掘って、中国を中心にシベリアを通過し、モスクワを経てロンドンまで行き、もう一つはインドを通って中東を通過し、ロンドンに至るのです。(一九二−一三三、一九八九・七・三)

 私たちが提唱する理念によって、国際平和高速道路が建設された場合、アジア各国の国民は、お互いに自由に往来できるようになり、その結果、北朝鮮は軍事力による侵略の野望を放棄して、平和的統合の道を選ぶしか道はなくなります。こうしてアジア人の結束を固め、黄色人種を中心とした上・下層を連結するようになるのです。

 私たちは、ここアジアを基点として、絶対価値である神様の愛を中心とする現実的統一経済圏を実現し、東西新文明を結合して、新たな世界の平和を具現しようというのです。

 今日、全人類は、病と戦争、そして不信と飢餓の世界から抜け出して、平和と幸福が満ちあふれる理想世界を夢に描き、願い求めています。こうした人類の念願を単なる実現不可能な夢だと見ることはできないでしょう。(一一五−七五、一九八一・一一・一〇)

 新義州を経て安東(現・丹東)を通り、北京からミヤンマーヘと平和高速道路を造ることを構想して、「その提案書を全世界の大統領、全世界の総長らにすべて送るように」と言いました。

 中国を何か何でも引っ張り出さなければなりません。中国を引っ張り出して、ソ連と対峙させなければ、自由世界の平和の基地を見いだすことができないと考えたのです。それを誰が引っ張り出すのでしょうか。アメリカもできないというのです。大韓民国はもっとできないので、私がします。その時に発表した内容は、次のとおりです。

 満州に三百万近い人々がいます。そこには、昔から、隠れ住んでいる韓国人が多くいます。在日同胞、在米同胞、在独同胞を私が一つにまとめてこのことをするのです。技術を動かせる能力があるのです。それゆえ、ドイツのすべての最高技術を結合させて、中国を支援しようというのです。(一三八−一八、一九八六・一・一三)

 ソ連を防ぐためには、アメリカと日本を背景にしなければならず、その次には中国を背景にしなければなりません。中国を背景にするために、一九八一年の第十回「科学者大会」(科学の統一に関する国際会議)で、私は、国際平和高速道路を建設することを宣布しました。その時、「世界平和教授アカデミー」の議長団が、これにどれほど反対したでしょうか。「ああ、議長団がこぞって反対しているのに、レバレンド・ムーンはなぜ」と言いました。そこで私は、「皆さんは、私ほどアジアを知りません。アジアについて何も知らず、歴史についても知らないではないですか」と言いながら始めました。

 「科学者大会」(科学の統一に関する国際会議)には、百十一カ国から八百八十人の学者が来ました。彼らの国の首相たちに、国際高速道路の建設計画書を送ったのです。その次には、大学の総長たちにも送りました。(一三九−一二二、一九八六・一・二八)

 今は世界主義時代です。宇宙時代が来るのです。それで私たち人間の理想は、夫婦で世界を一周しながら暮らしたいということです。これが理想です。そこで先生は、平和高速道路を計画したのです。これが世界的な問題になっているではないですか。きのう、初日には平和高速道路の起工式をして、現在トンネルを掘っています。大韓民国は知りもせずにいますが、日本では、政界の人たちが、みな大騒ぎしています。大韓民国では夢にも思わないでいます。自分の天下だと思って昼寝ばかりしています。(一四八−二七、一九八六・一〇・四)

 日本は、文先生と昔は怨讐の国でした。しかし、アジアの国として、カイン、兄の文化的な背景において、福を受け得る先発隊として立てて、交流させようというのです。それで、これを連結させるために、平和高速道路を中心として、北朝鮮を通って中国大陸を通る世界高速道路を計画するのです。日本人がしなければなりません。そのようなことを先生がしました。歴史の上で、「理論と共に実際の行動を通じて正しい」と言える証拠的基盤を、ダンベリーを通じてもって出てきたので、ここから統一の運勢が拡大していくのです。(一四六−三五、一九八六・六・一)

 私は、中国にパンダ自動車工業都市を建設するために支援しました。人より先に中国に入って、一獲千金しようという計略ではありません。中国で生じた収益は一銭も外に持ち出さない、というのが私の原則です。その利益をそこに再び投資して、国際平和高速道路を造り、他の先端技術も平準化させながら、十三億の中国人を豊かにしようというのが支援した動機でした。世界人口の四分の一にもなる中国を無視しては、誰も世界平和を語ることはできません。(一九八−一六四、一九九〇・二・一)

 (国際平和高速道路が通る地域で)二キロ、四キロメートルの間に、世界平和の基地を造成するのです。法的規定のない超国家的地域です。そのようになれば、極悪犯たちがみなここを拠点にすると思うかもしれません。しかし、もしそうならば、そのような地域では、深い山岳地帯に洞穴を掘って、押し込めて教育しなければなりません。そこでパスしてこそ、世の中に出られるようにするのです。(一八九−三二五、一九八九・六・一七)

 日本と韓国と中国を中心として、太平時代を準備しなければならないという意味で、私が平和高速道路を一九八一年の「科学者大会」(科学の統一に関する国際会議)で宣布したのです。それで、中国を先頭に立てるのです。一九八〇年から八五年まで、ドイツの最大技術工場、四大工場以上を準備しなくては、中国を今後アジアの中心国として発展させる道がないと考えたのです。(一八七−一五六、一九八九・二・五)

 これから世界は、ますます交流するようになります。それで今まで先生は、国際平和道路を建設することを提唱したのです。既に一九八一年に提唱しました。それは何を意味するのかというと、国境なしに往来するのです。国境がありません。四車線の道路を中心に、左右に四キロメートルずつ八キロメートル、日本ならば日本が、平和高速道路が通るその左右の八キロメートル以外は干渉できますが、それ以内では絶対に干渉できないようにするのです。その地帯をどこでも絶対不可侵地域として設定して、世界のすべての人々が往来できるようにするのです。そこに入りさえすれば、国境がないというのです。いくら走っても誰も反対しないのです。

 そして、ベンツのような良い車に乗って加速し始めれば、(時速)百二十から百二十五マイル、百七十五マイルまでいきます。ですから、飛行機のようなものです。飛行機が百マイルなら飛んでいくのです。ですから、性能の良くない車は、その車線には入ってくることができません。人ってきても、すぐに出なければなりません。そのように、各自がみな注意するので事故がないのです。それと同様に、将来、平和高速道路ができさえすれば、ありったけの速力で走れというのです。そこでは、黄色い人でも青い人でも、白人でも黒人でも関係ありません。あなた方は黒人だからあっちに行って、あなた方は白人だからこっちに行って、そのようなことはありません。ですから、人種もなくなるというのです。(一八二−二三四、一九八八・一〇・ 二三)


二 言論と情報化、そして平和運動

 「宗教指導者が、何のために莫大な資金を投資して、言論事業に力を入れるのか。その真の動機は何なのか」といった疑問をもっているようです。それに対する答えを一言で要約すれば、今日の世界が平和か戦争かを決定づける上で、言論の責任があまりにも重大であることを私はよく知っているからです。

 二十世紀後半は、言論によって支配されている時代です。言論の力と責務が、原子爆弾や軍事力よりもさらに拡大しています。したがって、言論が一貫した真の価値観に基づいて正論を主張するとき、その言論は世界平和の旗手となり、無責任と誤報道と扇動で国民を惑わすとき、その言論は世界平和を破滅させる道具となるでしょう。

 このような認識のもとに、私は、一九七八年、アメリカの首都ワシントンD・Cにおいて「世界言論人協会」を創設し、毎年、「世界言論人会議」を開催してきました。

 宗教指導者として、私が最終的に追求しているのは、真の価値観、真の愛に基づいた真の世界平和です。その世界平和の建設において、いかなる政府よりも、いかなる君主よりもさらに強い影響力をもっているのが言論であることを、私はよく知っています。

 今日、我が国、大韓民国は、未曾有の歴史的転換の岐路に立っています。今こそ、私たち民族が創造的、民主的、道徳的力量を十分に発揮し、新しい歴史の場を建設する時です。

 今こそ、私たちが自由統一を達成するのか、永遠に分断国家として残るのか、民族の再興か、民族の衰退かを分かつ重要な時点です。正にこのような時に、統一運動として「世界日報」は産声を上げ、この地に誕生しました。「世界日報」は、自由言論のシンボルであり、責任言論の手本となることを誓い、皆さんの前に現れました。

 「世界日報」は、正義には涙し、不義には容赦がないでしょう。「世界日報」は、政党を超越し、ある特定の宗派のために存在するのではなく、国民と国家と世界のために血と汗を惜しまないでしょう。一言で、「世界日報」は、韓民族の誇り、世界人の誉れとなるでしょう。

 「世界日報」は、アメリカの「ワシントン・タイムズ」と共に、東西にそびえ立つ真理の灯台となり、真と偽力をはっきりと区別する理性紙であり、真の自由民主主義の灯火となるでしょう。

 「世界日報」は、正に皆さんの新聞です。皆さんの声であり、皆さんの代弁紙です。すなわち「世界日報」は、皆さんの良心宣言です。(一九八九・二・二二)

 人類の繁栄と平和統一の世界は、万民の願いであると同時に、神様の願いです。個人であれ、国家であれ、世界であれ、主体と対象が神様を中心として「ため」に生きる真の愛を実践する中で、理想的な平和が成されます。しかし、愛は単独では現れることができません。相対的関係の中で現れます。父母の愛は、子女がいて彼らを通じて初めて結実し、子女の愛は、父母がいて彼らを通じて初めて実を結ぶのです。

 神様の創造も、一人では触発されない真の愛の理想を実体化するために、真の愛を中心とした親子の関係が成立するようになったのです。神様は、父母の中の父母であり、師の中の師であり、王の中の真の王であられます。神様は、いつも真の愛のために与えられる永遠の真の父母であり、真の師であり、真の主人であられます。

 人間は、神様の子として、まず神様のような真の父母、真の師、真の主人の道を行かなければなりません。これは、お互いに「ため」に生きる真の愛で助け合い、相対位置を定着することによって愛の理想を完成するのです。

 天理大道は、このように利他的に生きる真の愛において、本当の自己成就がなされるようになっているのです。真の愛を中心として、上下の父母関係、左右の夫婦関係、前後の兄弟関係が調和し、その中で理想的な家庭が成されます。家庭が拡大して、国家、世界、天宙が完成するのも、同じ原理と公式からなされるのです。

 教育、言論、芸術、救済など、私が築いた世界的な基盤も、すべて同じ公式である「ため」に生きる真の愛を投入することによって理想世界を成就させるためです。

 真の父母、真の師、真の主人の人格を目標とした、「ため」に生きる愛を教える教育は、第一に、家庭で行われるのが理想的です。学校教育も、その延長でなければならないと考えます。

 そして、「ため」に生きる真の愛の社会教育の機能は、言論機関を通じて世界的になされてこそ効果的であると信じています。言論こそ、社会全体を啓発し導いて、「ため」に生きる真の愛の関係を拡大させる公器だからです。(一九九九・二・一)

 私は、最近、新たな言論の使命を設定しました。それは、道徳言論という新しい使命です。それゆえ私は、「ワシントン・タイムズ」の今後十年間の目標として、「道徳社会具現に貢献する言論となれ」という命題を与えたのです。そして、「世界平和に寄与する新聞」、その世界平和は、理想家庭をつくり出すことによって初めて可能になるので、「家庭倫理をはぐくむ新聞になれ」という意味です。

 言論は、行政、司法、立法に続く第四の権力であるといわれるほど、社会に莫大な影響力と権力を行使しています。その強大な言論の権力は、善のために使われるべきであり、世界平和のために寄与する権力になるべきであると信じています。

 言論人も専門職業人である前に、その根本はみな神様の子女です。皆さんは、神様が願われる道義時代、真の平和の世界に特別に召命を受けた平和のチャンピオンであられます。このような言論人の自由討論の広場として・、究極的な道義時代の具現を目標に、「世界言論人会議」があるのです。

 世界の言論指導者の皆さん、全世界が神様の摂理の中、究極の真の平和世界に向かって進むこの時に、言論は神様に呼び掛けられた平和世界具現の重要な使命があることを悟らなければなりません。

 言論は、平和を切望する他のすべての努力と連合して、地球村時代に人類大家族の理想を具現するのに強力な影響力を行使し、真の平和、道義世界実現の主役となって、勇敢に雄々しく前進しなければなりません。(二三四−二三四、一九九二・八・二二)


三 環境・難民救済事業

 現在の為政者たちは、政治的な問題と軍事的な問題を第一に考えていますが、それが第一ではありません。宗教を立てて大きなブロックをつくり、世界福祉化運動を中心に、平和軍団のような選抜隊をつくり、超民族的な実践運動をどのように展開させるのかという問題が重要です。世界福祉化運動が最も重要です。それゆえ、今後のアメリカの政策や韓国の政策も、こうした世界情勢をすべて観望しながら立てていかなければなりません。(一五八−四〇、一九六七・二・一四)

 なぜ私が海に関心をもつようになったのか分かりますか。将来、全人類が行くべき平和の道を開くに当たって、鍵がそこにあるのです。(一八九−二九五、一九八九・六・一七)

 私は、このように中南米大陸を縦横に駆け巡りながら、多くの理想を描いた人です。中南米三十カ国余りの国家、社会が真の平和を実現して、理想国家を築くために何をすべきか、どこに行くべきかを考えてみたのです。

 中南米大陸は、無限の潜在力をもっています。そこには無限の資源があります。そこには尽きることのない無限の人力があります。肥沃な平和の楽園です! 雄大な山と大自然です! 創造本然の汚染されていない美しい大自然です! 二十一世紀には必ず開花する、南米の全盛時代を夢に描いてみました。(二七一−九三、一九九五・八・二三)

 私は、この平和会議の一つの主題として、ヽ地球、人間環境の回復に関する討議を含めましたが、私たちの自然環境は既に極限まで破壊されており、水と空気は汚染され、人類を保護してくれていたオゾン層まで破損されており、このまま行けば人類は、自ら築いた物質文明のために自滅を免れない境地にまで至るでしょう。(二七一−九四、一九九五・八・二三)

 今こそ、全世界で飢えて死んでいく人々を私たちが救ってあげなければなりません。彼らも兄弟です。どんなことがあっても、伝統を立てて生かさなければならないのです。豊かな人は下りていき、貧しい人は持ち上げて、釣り合いをとって一つにするための国家編成をするのです。このように生きるようになれば、平和の世界、地上天上天国へと通じる勝利の王子、王女になるのです。このようにすることができるようにしようというのです。(二六九―五〇、一九九五・四・六)

 陸地と海上を占領しようと思えば、人と魚を占領しなければなりません。人と魚を占領して何をするのでしょうか。将来、人類には平和時代が来ます。そして、今後、人類において食糧問題は、大変重要な問題になるでしょう。陸地の生産だけでは、人類の食糧問題と平和的生活基盤を築く条件を満たすことができません。陸地だけでは永久に食糧を補給できないというのです。それゆえ、海上を中心として、魚資源で補わなければなりません。(二〇七−二一六、一九九〇・一一・一一)

 水産業は、将来、世界人類の食糧問題解決の鍵になります。そのために訓練するのです。先生は、二十四時間海に出て働いたという基準ゆえに、未来世界において、百年、何世紀後の人々が先生を尊敬するようになるでしょう。海を愛さなければなりません。雨に打たれてもレインコートを着ません。百年、二百年後にでも、霊界に来て私に出会うようにする材料は先生にある、そのように考えるのです。尊いことです。それは、先生だけが知っています。その雨がどれほど誇らしいでしょうか。雨の歴史、雨粒の歴史において、私のような人はいません。その一粒の雨は、王の雨粒として認められる貴い歴史の時間が成立するということを感じながら、深く考えるのです。その姿は真剣なのです。(一九〇−一九四、一九八九・六・一九)

 これから人類の食糧問題は養殖にかかっています。ハワイのような所に行けば、ビルが多く建っているでしょう? 養殖をするビルができるのです。パイプのようなものを利用すれば、深い山奥でもできます。高い山にも、いくらでも造ることができます。そこで百坪、五十坪程度でも、一家族が生活するのに何の問題もありません。子供たちを大学に送っても、まだ余ります。地球上の面積を考えてみれば、生活の解決方法は、養殖以外にはありません。

 将来養殖をするためには、技術獲得が重要です。それで、海水をどこでも引っ張ってくるのです。数百里までも引っ張ってくることができます。そのような時代になったのです。海水の活用が山中でもどこでも可能なのです。そのようにして、これから人類の食糧問題を解決するのです。養殖する方法を先生が探し出したので、今後希望が生じるようになったのです。(一九二−五六、一九八九・七・三)

 地球星を活動舞台として、理念実現という目標を掲げていく統一教会は、このような人類の痛ましい状況に対する解決策を準備しなくてはいけません。準備する人がいなくては、全体が滅びるのです。将来、人類にとって最も重要な問題は何かというと、食糧問題と公害問題です。

 この公害問題をどのようにして防ぐのでしょうか。水と空気の汚染、オゾン層の破壊問題など、皆さんとは関係のないように考えられてきた環境的事柄が、今月、私たちの生命に直接的に影響を及ぼしています。私たちの生活舞台において、時間単位を越えて分秒単位で脅かす時代に入ってきています。これは、歴史上のいかなる戦争よりも恐ろしい脅威です。このような脅威が私たちの目前に迫っていることを考えたとき、これに対する準備をしておくことができなければ、人類の未来は暗澹たるものになるのです。(二〇七−二一八、一九九〇・一一・一一)

 先生が心配することとは何でしょうか。世界の三大難題は何かというと、公害問題と、その次には環境問題です。人類が生きることができなければ滅亡するのです。その次に、三番目は何でしょうか。飢饉、食糧問題です。世界的に飢え死にする人が、一年に千五百万から二千万にまで上っています。一日に五万人ほどが死んでいくのです。それに誰が責任をもつのかというのです。(二七〇−一六七、一九九五・五・二九)

 世界的に飢え死にする人が一年に二千万人程度です。二十年余り前から、この人々の食糧問題解決のために、海洋産業に関心をもったのです。魚の粉、フィッシュ・パウダーが問題です。高たんぱく質ですが、これはどんな動物にもないものです。これを粉状にすれば、食糧問題を解決することができます。これを粉状に加工することで、保管と運搬が楽になるのです。このフィッシュ・パウダーが一トンあれば、三十倍、五十倍にも増やすことができます。九八パーセントたんぱく質です。先進国がこのようなことを解決すべきですが、解決できませんでした。(二九六−二二八、一一・一〇)


四 国連改革と平和機構

 歴史を通して見るとき、人間は常に平和を渇望し、これを達成するために多方面にわたって努力してきました。人々は、平和を得るために相手を征服したり、時には平和のために降伏したりしました。今世紀に至っては、戦争以外の方法で国際間の対立を解決しようと試みた二つの貴い実例がありますが、それがすなわち国際連盟と国際連合です。(一六六−一二九、一九八七・六・一)

 「ため」に生きる世界に入れば、貧しい人を裕福な人が助けてあげ、すべての人がそのようにすることができる平準化時代になるので、平和の世界、統一の世界へ行くのです。今の上下関係で見れば、上のほうの空気は下に行けず、下にある空気は上に行けないという論理が生じるのです。東西も同じです。水もすべて平準化、空気も平準化、愛も平準化するのです。自動的に一つになるようになっているのであって、強制的ではありません。

 それゆえに、国連が今、国の形態を整えなければなりません。強力な国の形態を国連が備えなければなりません。国連が一つの理想を中心として、一つの統一と平和のための憲法を通じて強力な体制を整えるには、自分のために奉仕せよというのではなく、自分を投入しなければなりません。「ため」に生きる国連の形態をもたなくては、平和の世界、地上に一つの世界は永遠に望めないというのです。

 アメリカは、国連が世界的基準を中心として、アメリカの頂上にいることを嫌うので、国連を解体しようと考えています。解体してはいけないのです。国連を中心として全世界のために先生が始めようとしていることは、国連が上院と下院の国家形態を備えて、政治的混乱歴史を経てきた過去を断ち切り、こちらではなくあちら側に越えていくのです。宗教理想、最高理想の神側に立って国連自体が全体の国家のために生きるのです。ある特定の国家ではありません。特定の国家が支配権を握ることはできないというのです。平準化の中心、センターとなって、このような共通の管理体制に向かっていってこそ、平準化運動、平和の運動ができるのであって、特定の国家を代表した立場に立った国連になれば、常に被圧迫と圧迫圏内の政治風土が残るようになるのです。それは、サタン世界の圏内に落ちてしまうというのです。(三〇三−一九六、一九九九・八・二五)

 政治の方向も、家庭理想を中心として、真の愛に合わせなければなりません。経済やすべての文化もみな、真の愛に合わせなければなりません。これからは、自分の思いどおりに進んでいけば間違いが多くなるのです。それゆえに、世界が一つにならなければなりません。一つになるとすれば、経済的体制を中心として一つになるのであって、政治体制で一つになってはいけません。政治体制は、支配階級と被支配階級の基盤の上に立っているというのです。ですから、経済体制を中心とする管理体制に転換されてこそ、平和と統一の世界になるというのです。

 家庭の父母と息子、娘は、国と同じであり、国家の父母が国の大統領と同じです。天宙においても同じです。それで政治体制は、一つの道しかないというのです。家庭モデル世界化時代に入ってくるので、その次に何かというと、平準化時代になるのです。生活標準化と平和というのは経済問題です。それゆえ、国連がこれから経済をきちんと管理しなければ、人類は滅亡するというのです。闘争概念を中心とした、または優劣を中心とした先後関係をもつ、このような指導体制があってはいけないのです。愛を中心として、相対的関係として進んでいかなければなりません。(三〇三−一九二、一九九九・八・二五)

 一つの平和な世界をつくるために、私たち夫婦は様々な努力を傾けてきました。そのうちのいくつかの代表的な例を挙げれば、人種と宗教、国境、言語の壁を乗り越え、未来世界の基盤を築く理想的な国連大学を建てることです。また世界的な知識交流をするために、遠隔通信大学が必要です。(二八七−三八、一九九七・八・一〇)

 過去四十年間、私が展開してきたすべての超教派・超宗派活動と組織の目的は、すべて神様と人間が共に望んできた平和世界の実現でした。平和に対するビジョンは、超宗派運動の核心です。

 人類は、二十世紀に凄惨な世界大戦を二度も経験し、そして、七十年の間、無神論共産思想の横暴と冷戦時代の中で鋭い対決と葛藤を経験しました。冷戦時代が終息し、世界は、一時的に平和のための祝杯を挙げることができました。

 しかし、すぐに人類は、その冷戦の終わりが自動的に平和時代に連結するのではないことを知るようになりました。世界は、至る所で激しい戦争が起こり続けています。今も前ユーゴスラビアと中東において、またスーダンや南アジアなどの地で殺戮戦が繰り広げられています。これらの紛争は、主要宗教間の根深い葛藤が背景にあることは周知の事実です。教団間の対話と和合がどれほど重要かを悟らせてくれる事例です。

 そのいかなる国家機関よりも、国際連合が良い例になるでしょう。多くの人々が、国連は世界平和のための人類理想が制度化された組織だと考えており、これに期待をかけています。国連には、世界の問題を解決して、平和と人類の繁栄を促進するために共に働く、すべての国の代表者らが集まっています。(二九九−一〇三、一九九九・二・七)

 体と外的な世界を代表する政治家や外交官らの経験と実践だけでなく、心と内的な世界を代表する世界宗教指導者たちの知恵と努力が合わさってこそ、平和世界が完全に成されるのです。そのような点から、国連を再構成する問題まで深刻に考慮しなければならない時です。おそらく、両院制の形態を備えた国連を想像することもできるのです。

 両院が相互に尊重して協力することによって、平和世界を築くことに大きく寄与できるでしょう。世界指導者たちの政治的経綸は、世界の偉大な宗教指導者たちの知恵とビジョンによって効果的に補われることでしょう。

 私は、「世界宗教議会」を重ねて開催しながら、超宗教・超国家的に真の愛の教育に努力してきました。そして、昨年には、世界の宗教指導者たちが先頭に立ち、すべての宗教人が七数単位の献金をして世界平和基金をつくることに率先しようと提案しました。国家の経済事情や個人の経済状況によって差が出ることもあるでしょう。七ルーブルでもいいし、七百万ドルを献金することもあるかもしれません。すべての宗教人が心を一つにして基金をつくり、この基金で平和の知恵とビジョンを教育し、また真の愛の理想と真の家庭の価値を広めるために、共に効果的に働くことができるでしょう。(二九九−一〇五、一九九九・二・六)

 国連作戦を通して、家庭を解放しようというのです。「純潔家庭運動を国連がすべきではないか」と言って詰め寄り、言うことを聞かなければ、「平和の世界は家庭を通してなされるのに、家庭が破壊されれば平和世界を成すことができるのか。国が壊れていくのに、国連がこのような基盤をもつべきではないか」とこのように受け答えするのです。「政治? あなた方が政治をして滅びるようになったのだから、政治を生かせる内容があれば、何でもすべきではないか」、このように詰め寄るのです。(二九七−二〇六、一九九八・一一・二〇)

 国連が天の願いに従わなければ、アベル国連をつくるのです。それで「島嶼国家連合」をつくったのです。「半島国家連合」、「大陸国家連合」をつくりました。各国の大統領たちは、「先生が早く理想的な世界家庭を完成しなければ、理想世界が生まれないというのが先生の教えであり、神様のみ旨の道ではありませんか」と言いながら、そのように行動を始める人が多く現れるようになりました。国連の事務総長を中心として、消化運動を推進しているのです。それで国連の会議場でも、十六人程度は、「来なさい」と言えば、みな先生のもとにすぐに来るというのです。対話をして事務総長を賛成させて、新しい平和の道へと向かうはしごとなるのが「家庭連合」です。

 国連の目的は、平和の世界、統一の世界、超国家的理想圏を求めることでしたが、何も結果がないではありませんか。先生が成したことは世界的なことです。(二八九−五五、一九九七・一二・三〇)

 今後、国連事務局から私たちの部局をつくるのです。平和へ通じる家庭理想の部局さえつくれば、世界は私たちの計画どおりに進むでしょう。それで、もし国連が天の願いに立たなければ、私がアベル国連をつくろうというのです。国連に主人はいません。(二八九−一六七、一九九八・一・一)

 国連は、国の形態をもっていません。国連は、政治風土に漬かって片方の足しか正常でなくなっています。家庭が成されるためには、父と母がいなければならず、息子、娘がいなければならないのです。国連には主人がいません。誰が誰かも分かりません。このような構想は、平和の世界へ行くレバレンド・ムーン以外にはできません。(二九三−一六三、一九九八・五・二六)

 政治的立場では、世界を料理することはできません。料理される相手は政治圏です。政治圏はすべて腐っています。家庭を中心として、この腐敗した事実のすべてを正す道はありません。それゆえ、宗教が再び一つにまとまらなければならないというのです。そして、世界を一つにして平和の世界に行くことができる近道、まっすぐな道を整えてあげなければならないというのです。それは、国連だけができることです。(二八八−二〇四、一九九七・一一・二八)

 今後、国連に祝福家庭部局をつくらなければなりません。これは、世界的な平和へ向かう直短距離の道なのでy国連自体が加入して指導することによって、万人、万国家、万家庭を救うことができ、万青少年を救うことができる間違いない道です。これをしなければ、国連事務局を押しのけます。私が国連をつくろうと思います。(二八七−一九〇、一九九七・一〇・三〇)

 国際連合は体です。体に心の世界を結びつけなくてはいけません。それが宗教圏、「世界平和宗教連合」です。宗教圏を結びつけてこそ、心と体が一つになります。その次には、母である「女性連合」を結びつけなくてはなりません。その次には、「青年連合」を結びつけるのです。四大団体を国連に結びつけて立てれば、将来、国連が平和統一でき、一つの世界に行くことができる方向提示ができるようになるのです。(二六七−二四六、一九九五・一・八)

 「世界平和宗教連合」や「世界平和連合」、「世界平和教授アカデミー」といって、すべて「平和」を入れたのは、国連を目標にしたからです。数十年前から準備してきたのです。本来は、国連を標準として従うようになっています。人類の平和は、国連が主導しなければなりません。アメリカではいけません。

 個別の国家を中心とする世界が、平和世界に向かうためには、一晩ではできません。長い期間を通じて出てこなければなりません。ある転換をさせるには、一つの標本物がなくてはいけません。「なるほど、あのようにすれば国が発展するだろう!」と言うことのできるモデルがあれば、それを国連が宣伝して、国家が支援できる環境さえできれば、すべての国がまねするようになっています。

 それで、今、私がしていることを、ここにいる誰よりも開発途上国が歓迎しているのです。先進国はいくつかの国しかありません。G7やG8など、何カ国にもならないというのです。それ以外は、すべて後進国家型になっているので、国連が主張する平和的モデル国家形態があるというときには、それ以下のすべての国家は、一つの方向に自動的に向かっていくというのです。(二六七−二三六、一九九五・一・二〇)

 国連機構を見れば、各国家を中心として体の象徴になっています。サタン的な基盤です。国連に百八十二カ国が結集していますが、その内容を分析してみれば、すべて自分の国を中心にして他国を利用し、だましています。それは、統一と平和という本質的で基本的な理論に反するものです。

 今の国連では、世界平和をもたらすことはできません。国ごとに、自国の利益を得るために争っています。それではいけないのです。良心的ではありません。それゆえ、良心を中心とした宗教団体と現在の国連を合併させるのです。その背後にエバのような「女性連合」があるのです。本来、世界平和は、女性が中心にならなければならないのです。そうでなければ、争ってばかりいるというのです。女性が真ん中でカインとアベルを抱くような組織をつくり、女性を中心として、全世界に平和の雰囲気を造成するのです。(二五八−一五六、一九九四・三・一七)

 今や平和の時代が来ました。アメリカが世界平和の先導国になろうとするなら、モデル国家がなければならないのです。南北を統一しなければならず、中東を統一できる連を私が国連機構を中心として提示するのです。国連機構をカインの立場に立て、新しい国連機構をつくってアベルの立場に立てるのです。カインとアベルを中心として、天のみ旨と一つにならなければなりません。それゆえ、平和のモデル国家として解放されたモデルをもたなくては、平和を主導できないというのです。(二四六−三四、一九九三・三・二三)

 世界平和を誰が主導すべきでしょうか。天が主導しなければなりません。宗教圏も政治圏も、天が主導しなければならないのです。このような意味から見るとき、私が主唱するのが宗教圏国連です。その次に、女性国連を主唱するのです。これは、間違いなくできるのです。このようになれば、現在の人類は、神様のプログラム圏内に完全に引き込まれていくのです。(二四八−二四五、一九九三・一〇・三)

 一九八九年十一月九日にベルリンの壁が崩壊してから、世界は、正に改革と変遷、和解と親善に向かって走っています。世界平和の道は、今大きく聞かれました。

 今や私たちは、きょう宣布される平和を勝ち取る大原則に立脚して、真の平和を成し遂げる時であり、後進国を貧困から解放し、強大国は発展途上にある新しい民主主義国家を犠牲の精神で助けなければなりません。各国の政策が利己主義を止揚することそれ自体が大きな革命です。その方法は、私たち全員が父母の位置に上がっていって見下ろしてみることです。

 今度の九月、国連総会に南北朝鮮が共同で加入します。これは、私たちが平和世界に向かう、また一つの画期的な発展です。そうなれば、総国連加入国は百六十三カ国になります。(二一九―二〇、一九九一・八・二八)

 第一次世界大戦以後、人類は、戦争の惨事がどれほど大きいかということを骨身に染みて感じ、一つの平和の世界を追慕しながら、政治家たちが中心となって国際連盟をつくりました。しかし、政治家たちはサタン的だったので、自分たちめ欲望のために世界人類を利用しようとしました。それゆえに、天が打ったのです。(二〇八−二八六、一九九〇・一一・二〇)

 第一次大戦以後、人類は、戦争がどれほど悲惨であるかを知りました。平和を望む人間本然の心情をもった世界のすべての人々が、世界に戦争があってはいけないことを知るようになったのです。それで、第一次大戦以後、国際連盟を中心として、平和の世界、戦争のない世界に向かうと思っていたのですが、三十年もしないうちに戦争が起こり始めたのです。しかし、平和を追求する人間本性の欲求は不変です。死んでも平和の世界に行こうとするのです。それゆえに、第二次大戦以降には、国際連盟を捨てて国際連合、ユナイテッド・ネイション(United Nations)、国連(UN)をつくり、「全人類は兄弟だ」と言って、戦勝国家が敗戦国を独立させ、兄弟圏として保護育成する時代に入ってきたのです。

 今や、冷戦を通じた戦いは終わりました。第三次大戦は思想戦です。ソ連とアメリカは、お互いに戦うことを恐れています。あえて言えば、これからは、嫌いであろうと好きであろうと、平和のために仮想の神様と仮想の理念を立て、学者らが集まって話を作り上げてでも、「世界はこのようになるべきだ! 神様はいる!」と主張しなければ、収拾する方法がないのです。そのようなことを知った文総裁は、神様に関することをあらかじめすべて知って、神様の絶対価値の内容を編成し、世界観を編成し、宇宙観を編成し、神様まで解放できる論理を体系化してきたのです。(二〇四−八四、一九九〇・七・一)















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